【応援メッセージ：vol.02-02】地酒屋こだま店主　児玉武也（こだまたけや）さん

前回に続き、豊島区南大塚で“情熱の地酒専門店”を営む児玉武也（こだまたけや）さんに「三千櫻」についてお話を伺いました。

前回の記事はこちら♪

５〜６年前から急に三千櫻の酒が美味くなった!?

正直なところ、取引開始当初の三千櫻は、それほど好きなお酒じゃありませんでした。もちろん、「当時の自分の好みとは違う」という意味で、です。ところが、数年やり取りを進めているうちに、だんだんお酒が良くなってきたんです。

とりわけ５〜６年前（2014〜15年）頃から、急激に酒造りが上手になったと感じています。いきなり階段を掛け上がるようにレベルアップしたんです！　今の山田さんは“凄い造り手”だと思います。

うちには取引当初のお酒も貯蔵してあるので、たまに開けてみるんですが、（今の酒と比べて）やっぱり、それほど上手ではなかったことを、一人で確認しています（笑）

なんて偉そうに言ってますけど、今の自分が10年前（創業当時）の自分を見たら、勉強不足もはなはだしい“バカ野郎”だったわけですけど、たいした知識もないくせに、山田さんには生意気なこともたくさん言ってきました。

そんなぼくを山田さんは真正面から受け止めてくれて、その都度答えを返してくれました。若輩者の意見もけっして無視しない・・・山田さんはスゴイ人ですよ。大好きですし、心から尊敬しています。今の三千櫻のお酒は、本当に素晴らしいと思います。

とくに「14号酵母」での香りを抑えた綺麗なお酒に惹かれて、今まで山田さんとタッグを組んで仕事をしてきました。これぞ“三千櫻の真髄”だと思っています。

児玉さん曰く「意外かもしれないけど、実はとっても好き」な
2018年の『三千櫻さくらにごり』

「三千櫻の酒はすぐに飲んでも旨いけど、飲まずに置いておいても、
また別の旨味が出てきますからね」

そんな三千櫻酒造が岐阜の中津川から北海道東川町に移転すると聞き、もちろん最初は嫌でしたね。「まじかぁ〜！」という感じでしたよ。個人的に岐阜は大好きですし、中津川の蔵には何度も行っているので、自分にとっても故郷みたいな感覚になっているんですね。

でも、蔵の現状を知ってるだけに、次の瞬間には「いい決断かもしれないね」と、十分納得できました。蔵の維持に相当苦労されていて、その悩みも聞いてきました。ここ数年は麹室を建て替えるために助成金を申請したりしていましたが、どうもスムーズに事が運ばなかったようです。

じつは３年ちょっと前に移転の話が持ち上がった当初から、この話は聞いていたんです。もちろん誰にも（妻にも）言わなかったけれど、たまに飲んだ時など、折に触れその話をしてきました。

途中で頓挫しかけたり、急に進展したり・・・紆余曲折を傍で見てきたし、気持ち的にはずっと応援してきただけに、今回の東川蔵完成は「いよいよ実ったか！」と感慨深いものがありますね。

もちろん、引っ越しを寂しいと思う人はたくさんいらっしゃると思うし、「岐阜を捨てるのか」といった反対意見があったことも知っています。

でもぼくは、「彼らが決めたことだから、素直に応援したい！」って思います。

それに、どうせ引っ越すなら北海道でよかったな、とも思います。他の地よりは、北海道には可能性があると思うから。新しい故郷が増えたと思って、北海道に行くのを今から楽しみにしています。

男は背中で三千櫻・山田さんを応援するのだ（笑）

－－最後にひと言、「応援メッセージ」をいただけますか？　山田さんに面と向かって言いにくいことなどあれば、この機会にぜひ（笑）

山田さんには全部、面と向かって言ってるからなぁ・・・しいて言えば『できるだけ香り酵母系は使わないで！』かな（笑）。

もちろん、日本酒初心者を取り込み、飲み手の裾野を広げるために、酒蔵の経営としては必要なのは百も承知ですけど、僕はこのタイプの酒は好みません（キッパリ！）

そう言いつつ、インタビューの最後に児玉さんは「（奥さんの）和枝さんを大事にしてあげてね！」と優しい笑顔を向けてくださいました。

－－－本日はお忙しい中、ありがとうございました！　

＜完＞

取材・執筆：三千櫻応援団（みちざくラー）越谷姉妹

★情熱の地酒専門店　地酒屋こだま公式ＨＰ

　所在地：〒170-0005　豊島区南大塚２－３２－８

ＴＥＬ＆ＦＡＸ：０３－３９４４－０５２９

メール：jizakeyakodama@gmail.com

ＯＰＥＮ：１１時～２０時（日・祝は１９時）＊店主は１４時くらいからの出勤です。　

定休日：月曜日（不定休あり、ＨＰで確認のこと）